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2012/12/05

第2回TJCRO

第2回TJCROは、慶應義塾大学医学部先端医科学研究所の佐谷秀行先生に御講演いただきました。講演後にコメントをいただきましたので、掲載させていただきます。

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2012年12月5日に「新たな治療標的:がん幹細胞」というタイトルで第二回TJCROにてお話をさせて頂きました慶應義塾大学医学部先端医科学研究所の佐谷秀行です。
がん組織は、一様の性質を持つがん細胞によって構成されると考えられていましたが、「がん幹細胞」と呼ばれる大本になる少数の細胞と、その細胞から作られる 大多数の下流の細胞、つまり女王蜂と働き蜂に相当する階層性のある細胞で構成されていることが分かってきました。このがん幹細胞こそが、各種治療に対して 抵抗性を示し、再発や転移の原因になる細胞であると考えられています。私達の研究室では、がん幹細胞の性質を維持するために働いている分子機構を明らかに し、それを標的とした薬剤開発プロジェクトを進めています。講演ではがん幹細胞の概念と、その概念に基づいて変化しつつあるがん治療戦略についてお話しさ せていただきました。講演後は参加された先生方から多数のご質問をいただき、「がん幹細胞」という新しい標的に興味を持っていただけたことをとても嬉しく 思いました。がん幹細胞は放射線治療に対しても抵抗性を発揮することが既に分かっており、今後がん幹細胞に対する感受性を増加させるための併用治療が必要 であると考えます。若手の先生方には基礎研究の進歩に常に関心をお持ちいただき、一日も早く実臨床に反映できるように、臨床側からもアプローチしていただ ければと思います。